年俸制の定義とは
年俸制は、企業によって様々な解釈のもとに導入されているのが現状です。(注1)
本来の定義は、「従業員に支給する賃金の基本となる部分を1年間まとめて提示する制度」で、変動型賃金と直結した賃金制度というわけではありません。
プロスポーツの影響からか、年俸制=「成果に応じた変動型賃金」というイメージが一般に定着しているということから、日本の企業は、いままでの積み上げ型の賃金制度を成果型の賃金に改革する際に、年俸制を代名詞のように使って導入する傾向があります。
以上のことから日本における年俸制は、「成果(業績)評価や本人に求められる役割に応じて、1年単位で賃金の基本となる部分を決める制度」と言うことができると思われます。

注1 企業によっては残業手当てや業績賞与などは含まず、別途支給されるといったケース等もあります。


評価の方法は
「前年(または期毎)の成果(業績)」や「今年求められる期待・役割」に基づいて決まる賃金なので、より会社に貢献し、成果をあげた人ほど多くの報酬をもらえるといえます。
ただその程度に関しても、毎年の成果(業績)によって報酬がその都度大きく変化するものから、成績スライド方式(注2)など様々な面があります。
また、従来型の賃金制度のもとでは、職能給制度がとられる場合を含め、定期昇給により毎年賃金が上がってゆくというイメージがありますが、年俸制のもとでは賃金額は毎年変動するか可能性が高いので、年功賃金的な傾向は薄まります。
企業としては、いわゆる総額人件費管理という観点から、賃金総額が単純に毎年上昇してゆくのを避けるために年俸制を導入しようとすることも向きもあります。

注2 過去における成果(個人や企業)の累積が翌年の年俸に影響するような、ゆるやかな制度)


支払いに関して
年俸を1回で支払うわけではありません。
労働基準法では、「給与は月に1回以上、定期的に支払うもの」と定められていますから、
実際にはこれを分割して月ごとに支払われます。
あらかじめ1年間の総支給額を決め、それを分割支給します。
単純に12等分して毎月支給する方法や、賞与支給を前提として12+αで割り、
賞与査定で決定した額の一部として、給与とは別に年にα回支給する方法があります。